行方不明になった長男を調査する名目で255万円をだまし取られたとして、大阪府堺市の60代の女性が5日、大阪市中央区にあった調査会社の取締役に対する詐欺容疑の告訴状を大阪地検に提出した。 兵庫県内の60代の男性も同日、大阪市北区の探偵業者に支払った約800万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。 大阪の弁護士らがつくる「興信所・探偵問題研究会」が2人を支援し、「悪徳探偵」の被害を掘り起こす無料の電話相談も30日に開設する。
告訴状によると、堺市の女性は03年2月、30代で失跡した長男の行方を捜してもらおうと調査会社に150万円を支払った。同10月には「フィリピンにいた」と言われ、さらに105万円を支払った。 しかし、調査会社から連絡はなく、今年1月に事務所を訪ねると空き室になっていた。 研究会の弁護士が東京入国管理局に照会したところ、長男が国外に出た形跡はなかったという。 女性は告訴状で「初めからだます目的だった」と訴えている。 大阪地裁に提訴した兵庫県内の男性は03年5~9月、長男の不倫相手の張り込み料や「長男の目を覚まさせる」カウンセリング料などとして総額約800万円を探偵業者に支払ったが、報告書に張り込み調査をした記載はなく、長男には2、3度会っただけだった。