「探偵は固定費が少なくて高利益率だから儲かる」と聞いていたから探偵事務所を開業したのに全然儲からない!という方は多いと思います。
結論から言うと探偵は「儲かりやすい」「稼ぎやすい」職業であることは間違いないです。
ですが、探偵という職業関係なく「ビジネスを起業して稼ぐことはそんなに甘いものでもない」というだけです。
当たり前の話ですが、【稼ぎやすい職業】であっても【誰でも簡単に稼ぐことができる職業】というわけではなく、「成果が出やすい職業」といった方がイメージしやすいかもしれません。
ではなぜ固定費が少なく利益率の高い探偵事務所を開業したにも関わらず収益が上がらないのかを解説していきます。
事業分析ができていない
ビジネスにおいて【お客様】【自社】【他社】の分析は非常に重要です。
集客に成功している場合であっても分析することで更に集客力を伸ばすことができますし、集客が上手くいっていない時であれば何が原因で集客に繋がっていないのかを把握し改善していく必要があります。
探偵業は非常にシンプルで
【問い合わせ数×成約率×調査単価-固定費】
という図式で成り立っています。
収益が上手く伸ばせていない場合はそのどこかで躓いているということなのでひとつひとつデータを収集して分析することで改善点が見えてくるはずです。
しかし、収益を伸ばせていない探偵業者はデータを集めることすらやっていないところが多い為、改善ポイントの炙り出しすらできていないことがほとんどです。
まずは日頃からデータを残すようにし、ポイント毎にきちんと数値化して改善点を分析できる状態を作りましょう。
集客ができていない
特に探偵業で収益を上げられない一番の要因として多いのがこの集客に関する問題です。
いかに高利益率だろうと集客ができていなければ利益率も関係ありません。
看板や電話帳を出していれば集客できる時代は20年前に終わっています、以下のようなことができているのかしっかり確認しましょう。
集客ルートの洗い出し
まずは、探偵の集客ルートにはどういったものがあるのかをしっかり洗い出した後、取り組みやすいものから取り組んでいきましょう。
また、無料で開拓できるものは積極的に取り組むようにしていき、1つの集客ルートからの集客だけを考えるのではなく、複数のルートから集客できるようなかたちを作ることを目標にしていくことが重要です。
複数のルート開発の時に大事なのはただ闇雲に取り組むのではなく、どういった人に対してどういったかたちでアプローチしてどういった流れで集客に繋げるということを意識して構築していくことです。
具体的に動線をイメージしながら構築していくことが重要
サイトの完成度が低い
どういったかたちで集客を行うにせよ、最も基盤になるのがホームページやLPなどのサイトです。
露出が増えてお客様が何らかのルートで事務所を知ってくださり、サイトに訪問していただいてもそのサイトの作り込みが甘ければ問い合わせに繋がることはありません。
サイトを自社で制作する場合は必用なポイントを網羅したサイトの作成を心掛け、時間がかかっても完成度の高いものを用意するようにするか、多少資金がかかってもサイト制作を取り扱っている専門のプロに外注して用意するようにしてください。
自社のアピールポイント
気軽に見積もりが取れる今の時代、お客様はいくつかの探偵社を比べてその中から1つの探偵社を選ぶことが多いです。
サイトや探偵事務所の情報を比較された時に他社よりも明らかに劣っているようでは長く続けていくことは難しいので、他社と差別化する為の自社アピールを用意できると一番良いです。
しかし、探偵業は他社との差別化が難しい業種でもあるので、せめて他社と比較された時に見劣りしない程度のアピールポイントは用意するようにしてください。
面談の成約率が低い
集客はできていて問い合わせの電話は鳴る、でも契約にまでは至らないというパターンです。
面談まで進んでからの成約率は70%~80%は維持したいところですが、成約率が50%を下回るような場合、面談において何らかの問題が発生している可能性が高いです。
面談が上手くいかない要因としてはいくつか考えられますが、よくあるのは下記のような特徴です。
- 話すことに一生懸命でお客様の話を聞いていない
- 質問に対する回答がずれている
- 結論が分かりづらい
話している時の自分のイメージと端から見た時のイメージがずれていることもあり得るので、第三者に同席してもらって面談時のやり取りを聞いてもらうか、ボイスレコーダーに面談を録音して自分で聞いてみると新しい発見があるかもしれません。
また、お客様の第一印象を決める見た目も成約率には重要な要素です。
清潔感はあるか、だらしない雰囲気や胡散臭い雰囲気が出ていないかという部分を再度見直しましょう。
調査単価を安くしすぎている
これも陥りやすい部分なのですが、集客力や成約率を上げようと思った時に安易に調査単価を下げる方に考えてしまうことがあります。
しかし、単価を下げることは誰にでもできてしまうので「安値」というアピールだけでは同業他社が価格帯を下げてきた時に簡単に強みが消えますし、不毛な値下げ合戦に陥った時に稼働に見合わない金額を提示することになってしまいます。
目の前の集客というところにとらわれすぎて気付いたら案件は稼働しているのに売り上げはさほど上がっていないというような、探偵業の利点である利益を捨ててしまっているケースもあるので料金を下げるよりも付加価値をつけてサービスの質を上げる方向に考えましょう。
事務所固定費が高すぎる
探偵業は固定費がほとんどかからないところが魅力の1つでもあるのですが、しっかりした印象に見せる為に大きな事務所を借りたり、案件数が安定していない内から数人雇っていたりして売り上げと固定費のバランスが成り立っていないことがあります。
固定費をかけることで売り上げに繋がっているのなら問題ありませんが、大きな事務所を構えたからといって集客力が上がる訳ではないですし、まずは売り上げという成果に繋がりやすいところに資金を投入していくことが成功率を高める基本です。
特に事務所や雇用などは結果が出なかった場合に簡単にリセットすることがしにくいので、様子を見ながらアップデートするぐらいで丁度いいです。
自分では無理だと思ったら第三者を頼る
ビジネスで上手くいく為には自分の事業を客観的に分析して1つ1つ改善していかなければいけません。
収益が上がらないままただ闇雲に継続していると資金が減っていき、打てる手や選択肢がどんどん失くなっていきます。
探偵事務所を独立開業したものの収益が上がらない、何をしたらいいかわからないという状態になったら再起不能になる前に外部の人間を頼ってください。
- 同業者で上手くいっている人に話を聞く
- ビジネスアドバイザーにコンサルを受ける
- フランチャイズに加盟する
など自分1人で考えるより第三者の力を借りる方が遥かに成功率が上がります。
それでも改善して効果が出始めるには資金や期間が必要になってくるので、ギリギリまで放置してからでは立て直せるものも立て直せなくなってしまいます。
判断は早めにするようにしましょう。