探偵の仕事内容は?
【探偵】というとテレビや小説に出てくる「私立探偵」をイメージする人は多いのではないでしょうか?
それはやはり「探偵」で有名なのがシャーロックホームズやポアロ、現代で言うところの名探偵コナンといった個人で独自に犯罪を捜査して事件を解決する創作物だからです。
もちろん現実の探偵は犯罪捜査はしません。
そもそも現実の探偵は依頼者様から依頼を受けて契約書を交わさないと調査を行うことができません。
※探偵業の届け出をしていない人間がお金をもらって探偵のマネをすると法律違反です。
依頼を受けた後、「尾行」「張り込み」「聞き込み」「撮影」などを用いてご依頼内容を実行するのが探偵の業務です。
具体的なご依頼内容
それでは「ご依頼内容」にはどの様なものがあるでしょう?
主なご依頼内容の割り合いはこちら
- 1位「浮気調査」
- 2位「人探し(所在調査)」
- 3位「自宅・勤務先特定」
1位の浮気調査は探偵の仕事内容の6割~7割を占めます。
次に所在調査が2割~3割、自宅や勤務先の特定は浮気調査や人探しに含まれることもありますが単体でご依頼されることもあるので仕事内容としては別枠でカウントしています。
他にも素行調査や婚前調査、信用調査など様々なご相談に対応するのが探偵の仕事です。
現代において浮気調査や人探しが仕事内容の大部分を占めるのは世間的に「浮気の証拠集め=探偵」「人探し=探偵」というイメージが浸透しているからであり、20年程前はあった「婚前調査」の需要が現代では減少したことを考えるとここから10年後や20年後は「ネットで知り合った人間の信用調査」など、新しい需要が根付いていく可能性はあります。
具体的な業務内容
「依頼内容」ではなく「業務内容」でみるとどうでしょう。
もっとも割合を占めるのは【張り込み】です。
尾行するにも撮影するにも調査対象者が現れるまで張り込みを行う必要があり、調査対象者が店舗や建物に入ればそこから出てくるまで張り込みを行う為、調査において大部分を占めるのは【張り込み】なのです。
1人で現場に出た場合に限りますが、長い時は1日10時間以上張り込みを行う時もあれば真夏や真冬の時期にエンジンを切った車内や屋外で立ったまま張り込みを行わなければいけない時もあります。
どんな環境でも目立たず見逃さず張り込みを行えるからこそプロの探偵であり、だからこそお客様から1時間1万円以上の単価をいただくことができるということです。
これができるかできないかは探偵に向いている向いていないにも直結する話ではありますが、探偵に向いている人や必要なスキルについてはこちらの記事にもまとめてあるので興味のある方はご一読ください。
集客の為の業務
自社で集客を行っている探偵社では、依頼がない時には集客する為の施策業務を行っていくことになります。
具体的には探偵社の集客サイトやSNSの強化、チラシ配りなどです。
どのような職種であっても集客できないことには継続していけないので、探偵業であっても集客力の強化は行っていきます。
探偵の年収は?
さて、先程も述べたように探偵の調査料金は1時間あたり1万円を超える金額をお客様からいただくわけですが、探偵事務所や探偵社として考えると調査以外にも業務や経費がかかっています。
まずは集客する為にサイトを用意して広告費をかけ、面談を行って契約を交わした後にようやく調査に入ります。
調査を終えた後には報告書の作成や報告という業務が発生しますし、広告費以外にも事務所の家賃や機材購入費、人を雇っているなら人件費などの経費がかかっています。
それでは実際に探偵社で働く雇われ調査員にはどのぐらいの給料が支払われているのでしょう?
あくまで私の実体験や周りの雇われ調査員からの情報なので数社の統計にはなるのですが、入社後~3ヶ月程は研修期間として月給15万円、その後は調査員としてだけなら月給20万円~25万円、面談など調査以外の業務も担当できるようになれば+で5万円~10万円といったところです。
基本的に長く勤務したからといって給料が上がっていくような業界ではなく、生活には支障のない給料はもらえるものの一流企業のような年収に達することもないといったところです。
もちろん「雇われ社員探偵」ではなく「下請け探偵」や「独立開業」といったステップアップによって年収を上げることはできるのですが、そのあたりはこちらの記事に詳しくまとめてありますので下記をご覧ください。
探偵に関係する資格
職業によっては資格を取得することで給料が上がることもありますが、探偵の場合も会社によっては探偵業務に有利な資格を取得することで給料が上がることもあります。
しかし、【探偵に直接関係する資格】というものは存在せず、探偵社や探偵協会が独自に「探偵検定」や「○○認定証」のようなものを発行していることもありますが、国家資格のような公式のものではありません。
ではどういったものが探偵業務に有利に働く「資格」なのでしょうか?
自動二輪免許
まずは尾行に役立つ【普通二輪免許】です。
探偵としては【普通車免許】は必須なので原付バイクまでは運転することができるのですが、原付バイクではスピードに限界があるので尾行中に追いきれないことがあります。
中型以上のバイクであれば振りきられることもないですし、バイク尾行は車両での尾行よりも小回りが利くので車両尾行時に柔軟に対応することができます。
探偵社としてはスタッフに1人中型以上の免許持ちがいれば尾行時にバイク尾行という選択肢が増えるので持っていると便利な資格です。
アマチュア無線・電気工事士
これらは盗聴発見調査の時に役立つ資格です。
「アマチュア無線」に関しては資格取得時に無線電波に関する知識を身につけることになるので盗聴電波についてもお客様にしっかりと説明できるようになり、信頼度をアップすることができます。
「電気工事士」の資格については、この資格を持っているとコンセントを解体することができるので盗聴発見で盗聴器がコンセント内に仕掛けられている可能性がある時に分解して中を確認することができます。
先ほどのバイク免許とは違い、実用性というよりもお客様からの信頼度に繋げることができる資格です。
心理カウンセラー
カウンセラーの知識があれば面談時にお客様の話を聞いてメンタルケアを行ったり、お客様が話しやすい体制を整える為の知識を身につけることができます。
心理カウンセラー関連の国家資格では「臨床心理士」という資格がありますが、取得には臨床心理士専門の大学院を卒業しなければ試験資格が取れないなど期間的ハードルが高い為、現実的なところでは民間の運用団体が発行しているカウンセラー資格を取るのが効率的です。
民間資格なので国家資格に比べると信頼度は高くないですがその分資格取得時の難易度も低く、お客様へのイメージアップにも繋がるのでただ知識として身につけるだけでなく肩書きとして取っておきたい資格でもあります。
行政書士
行政書士の書面作成業務は調査後の慰謝料請求や和解合意書に活かせるので探偵との相性がかなり良いです。
また、士業の国家資格なので取得難易度は高いですがその分信頼度も高く、合格にはしっかりとした法律知識を身に付ける必要もあるのでお客様に対してしっかりとした法的なアドバイスを行うことができるようになります。