探偵の起業・独立開業は儲かるのか?
探偵として全ての働き方を経験してきたので収入事情を公開!
- 探偵の起業や独立開業って儲かるの?
探偵事務所の起業に至るまでの経緯
まずはざっくりとこの記事を書いている私の経歴をご紹介いたします。
私は現在、総合探偵社フリースタイルグループをフランチャイズ展開しているグループ代表の伊藤と申します。
2022年時点で探偵歴は14年、これまでに「探偵会社の社員」「下請け探偵」を経験した後、「独立開業」という経歴を歩んでいて「探偵」という職業の働き方は全て経験してきました。
その中で知人やお客様などからもよく「探偵って儲かるの?」と聞かれることがありますので、今回はそれぞれの働き方時代毎の収入事情というものを解説していこうと思います。
会社員探偵時代の収入
まず私が一番初めに経験したのは地元名古屋で一番の老舗探偵社の社員探偵という働き方でした。
15年ほど前の話なのでうろ覚えではあるのですが、基本は9時30分~18時30分までの勤務時間で週休1~2日でした。
最初の3ヶ月間は研修期間として月15万円のお給料をいただいていましたが、新卒入社の新人の手取りとしては平均的といったところでしょうか。
研修期間を終えて嘱託社員となってからは月20万円~30万円程いただいていたので一般的な会社員と同じぐらいですね。
下請け探偵時代の収入
会社員としての探偵を辞め、別の探偵社の下請け探偵になってからは勤務時間は案件に合わせた時間になり、日当として10,000円~15,000円でした。
下請け探偵ではあるもののほぼ一社専属の会社員のような働き方だったのでこの金額でしたが、元請け先によっては日当2万円~3万円、時間単価3,000円×稼働時間などで請け負って月収50万円を超える月もありました。
【下請け探偵】とは集客を行う【元請けの探偵社】から案件をもらって調査を行う探偵のことです。
探偵事務所を起業してからの収入
それらの経験を踏まえて「調査」「営業」「集客」全てをやるようになっていたので機をみて探偵事務所を個人で開業するに至りました。
集客に関しては働きながら学んだ方法をそのまま実践したので集客に対する不安はなく、起業して独立開業した翌月の利益は100万円を越えました。
そこからは常に100万円を越える訳ではなく、新規の契約が0本の月もありましたが、売り上げの波を乗り越えながら集客システムを育てていくことで順調に数字を伸ばしています。
収入面だけを見ればかなり遠回りした気はしますが、探偵一本で色々な経験ができたからこそ「探偵という職業」や「お客様」とも真摯に向き合えていますし、良い意味で今に繋がっていると思っています。
働き方によって収入は大きく変わる
このように、「探偵業」というものが儲かるか儲からないかというのは一概には言えず、重要なのは「探偵」という職業の中のどのポジションに就くのかというのが収入に大きく影響します。
探偵としてのスキルが最も必要とされる調査の部分を賄う「調査員」がどれだけ探偵スキルがあっても調査だけでは収入を伸ばせないというのは悲しいところですが、末端の技術者が稼げないというのはビジネスでは割とあるあるだったりしますね。
探偵として稼ぎたいなら起業一択
上記をみてもらえば分かる通り「探偵としてお金を稼ぎたい」ならリスクはありますが起業するのが一番効率的です。
というよりも自分で独立開業しなければ一般的な会社員以上の金額を探偵として稼ぐのは難しいとお考えください。
幸いにも探偵事務所を開業して起業するには大きな資金は必要なく、探偵業はスモールスタートで大きな利益を狙える数少ない職業でもあるので起業リスクは小さいです。
探偵事務所の開業資金に関してはこちらの記事にまとめてあるので気になる方はぜひご確認ください。
探偵事務所を起業して稼ぐのに必要なことは調査力ではなくビジネス力
もちろん探偵事務所として起業して独立開業すれば儲かるのか?といえばそんなに甘いものでもありません。
私は下請け時代に色々な集客ノウハウを試しながら学べたので自分で起業してからも上手くいきましたが、探偵はリピーターで成り立つ商売ではなく常に新規を取り続ける商売です。
また、飲食や洋服のように日々の生活に馴染みのある商品を売る訳でもないので、人生に一度あるかないかのトラブルが発生したお客様に競合他社から自社を選んでもらうという戦いが続いていくようなものです。
新規獲得が主な戦場ということは探偵業として稼ぐ為に必要なスキルは【調査力】ではなく【集客力】【営業力】といったビジネス寄りのスキルになってきます。
私としては調査をしっかりこなせる職人のような調査員を尊敬していますが、どれだけ調査力があっても集客や営業ができなければ探偵としてのビジネスは成り立ちません。
集客力を身につけるにはどうすればいいのか
では探偵として起業してやっていく為に最も重要な【集客力】はどうすれば身に付くのかという点ですが、これに関して1つだけ確かなことは「時代を捉えること」です。
例えば20年以上前は探偵業の集客方法は電話帳の広告一本でした。
電話帳にある広告枠に1ページ分の大きな広告を出す為に数百万円~1,000万円の広告費を使うだけで集客ができていたのです。
その後、インターネットの普及と共に電話帳文化は廃れてネット広告を出す時代に変化し、今ではSNSを使った集客時代に移り変わってきています。
この時代にチラシや看板だけで集客をしようと考える人はいないと思いますが、ネット広告やSNSに疎いまま起業したとしても当然使いこなせる訳はなく、外注して外注先の言われるがまま運用するしかなくなります。
もちろんその外注先が結果を出せる一流の方達なのであればそれでも問題はないのですが、自分の会社の命運を他社に丸投げする形で起業するのは愚策以外の何ものでもありません。
また、現時点ではネットやSNSを使いこなして集客ができていたとしても10年後にはまた新しい集客方法に移っていく可能性は高く、その変化にも対応していくことが求められますね。
結論:探偵は儲かるがビジネススキルが重要
以上、探偵は儲かるか?という答えとしては【起業して上手く集客できれば儲かる】【起業以外だと儲からない】、独立開業して探偵として起業したあとは【調査力】よりも【集客力】が重要というお話でした。
あくまで売り上げを上げて稼ぐ為には集客力が大事という話であって、お客様の悩みに寄り添ってトラブルを解決する為には調査力は必要不可欠ですので、そこは誤解しないようにしてくださいね。
追記:起業する方法の注意点
最後に、探偵として起業する際の注意点をお伝えしておきます。
ここまで探偵として起業して儲ける為には集客力が大事だということをお伝えしましたが、探偵の独立開業や起業をお考えの時は「今の自分が起業したとして集客の具体的なイメージができるか」という部分をしっかりと考えてください。
そこのイメージがはっきりとできない方はまだ起業するタイミングではありません。
どこかの探偵社に入社してノウハウを学ぶかフランチャイズに加盟してノウハウを提供してもらうか、もちろん知人に探偵として起業している方がいるラッキーな方でその方から学べるのであればそれも良いです。
目標として独立開業や起業を目指すのであれば、自分の選ぶ道が探偵としての経験だけではなく集客力も身に付くのかというところも考慮した上で選択することをお勧めします。
参考までに探偵になる為の方法やお勧め度などをまとめた記事もありますのでご興味のある方は下記もご参照ください。